【C++】【Eigen】MATLABのdiff()関数(っぽいもの)を実装する
先日C++でプログラムを作成していたところ、MATLABのdiff()
のようなものが必要になったので、Eigenを使って同様の関数を実装してみました。
更新履歴
- 22.03.25 C++のソースコードを修正。
- 22.01.24 文体を修正。
- 21.02.15 Eigenによる実装部分の文章を加筆・修正。合わせてC++のソースコードも修正。
- 21.02.09 初稿
MATLABのdiff()関数とは
MATLABのdiff()
関数は隣り合う要素の差分を返す関数です。
行列に対しては、行間の差分を取ります。m行n列の行列に対してdiff()
を適用すると(m-1)行n列の行列が返されます。
(列間の差分も取れますが)
また、diff(X, k)
のように書くことで再帰的に複数回適用できます。
似たような関数はpythonのnumpyやRにもあります。pythonのdiff()
ではMATLABと動作が違い、隣り合う列の差を取ったものを返すので注意が必要です。
一方、Rのdiff()
はMATLABと同じで隣り合う行の差を取ったものを返すようです。いずれも再帰的に複数回適用することもできます。
Eigenによる実装
Eigenを使い、C++でこれと似たような関数を実装します。
Eigenは式テンプレートという仕組みを使用しています。Matrix
クラスのオブジェクトを引数に取る関数を使う場合は、Matrix<...> &
とするよりはMatrixBase<Derived> &
として、テンプレート関数にしたほうがよいようです。
このようにすると、Matrix<>::Identity()
や行列を演算したものなどを直接引数として取れるようになります。
When writing a function taking Eigen objects as argument, if you want your function to take as argument any matrix, vector, or expression, just let it take a MatrixBase argument.
(訳)Eigenオブジェクトを引数として取る関数を作成するときに、関数に任意の行列、ベクトル、または式を引数として使用させたい場合は、MatrixBase引数をとるようにする。
(MatrixBaseクラスのリファレンスより)
EigenのMatrix
クラスには、行列の一部を取り出して部分行列を作るメソッドがあるのでこれを使います。
初稿では、下記のように.topRows()
と.bottomRows()
を使うバージョンでした。これだとfor
ループの中で.eval()
が必要であり、毎回オブジェクトの生成とコピーが発生し、効率が良くありません(と思われます)。また、これだとVectorXd
などを引数として取ったときに、戻り値がMatrixXd
になってしまいます。
改訂版では、これを修正することにします。ついでにMatrixXi
などMatrixXd
以外にも対応し、列間の差分も取れるようにしました。
初稿版
改訂版
密行列に対しては部分行列を作るメソッドを左辺値にも使えるので、部分行列で計算した結果を元の行列に戻すことで、オブジェクトの生成とコピーの発生を抑制する方針としました。
行間の差分を取る際に.topRows()
はそのまま使いますが、.bottomRows()
ではなく.block()
で取り出す行数を変えるようにしました。列間の差分を取る場合も、同様に.leftCols()
と.block()
を使用します。
なお、MatrixXd
以外に対応させるため、Derived::PlainObject
を使っています。
ところで、残念なことにSparseMatrix
に対しては部分行列を左辺値に使えない様子です。そのため、SparseMatrix
版の実装は初稿版と同じ方針を取ることにしました。
(なにか良い方法はないものか)
SparseMatrix
版まで実装したソースコードはdiff.h
としてGitHubに公開しています。Eigenと同じようにヘッダファイルのインクルードのみで動作します。
使用例
出力結果
動作を確認した環境
- OS
- Windows 10
- Microsoft C/C++ Optimizing Compiler 19.00.24210 for x86
- MinGW-W64 GCC version 8.1.0
- Linux
- GCC version 9.3.0
- Windows 10
- Eigen version 3.3.9
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